本と音楽と旨いもん

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きじかくしの庭 / 桜井美奈 読了

適当に買いあさったメディアワークス文庫消化編、第2弾。

タイトル通り、きじかくしの庭を読んだので感想等を。

いつもどおりネタバレは無しで。

 

 

地味だが個人的にアタリ

話の軸は二つあり、一つ目は教師の田路とその恋人の恋愛話。これは最初から最後まで通して続く。

もう一つは女子高校生の悩みが1年に一つずつ、計3つ。恋愛だったり、友人関係だったり。それぞれの繋がりは無いが、いずれも田路と関っていく。

あらすじを読むだけだと若干分かりにくいが、こんな感じ。

 

全体的に淡々と話が進んでいく印象を受けた。

第19回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作! とあったからもう少し波乱があったりするのかと思ったが、そんなこともなく。

 

逆にそこがよかった。

「ちょっと疲れたアラサーたちへ、心を癒やすこの1冊。」と紹介されている通り、疲れることなく安心して読めた。(アラサーではないが)

かといってじゃあ退屈になるのかというとそれはない。

同時に進んでいく二つの話のうち、一つが退屈だったら確実に読むのを放棄していたと思うのだが、両方ともグダることなくテンポ良く進んでいくので飽きない。

 

終わりもほんわかで、いい話だったなぁと素直に思える結末。

 

何かが秀でていて、素晴らしい物語だった!というのは正直難しいが、全体的に読みやすく、読んでいて疲れない。

落ち着ける1冊。

 

作者の桜井美奈さん、

今月発売の 落第教師 和久井祥子の卒業試験 を書いている。

そちらも読んでみようと思う。

 

きじかくしの庭 (メディアワークス文庫)

きじかくしの庭 (メディアワークス文庫)