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還りの会で言ってやる / 八重野統摩 読了

いつものごとくネタバレは無し。

 

この本、一言でまとめると

「いじめられてる幼馴染の女の子を、謎の大学生と一緒に救うぞ!」

という話。

いじめとか出てるが、重くなくてライトな感じ。

あとがきに書いてある通り、ジャンル分けをするなら「青春小説」か「青春ミステリ」のどちらか。

個人的にはどちらでもよいのだが、ミステリ目的で読む本ではないのであしからず。

 

 

さて、この八重野統摩さんは以前感想を書いたプリズム少女を書いた作者さんだ。

私自身、プリズム少女が面白かったためこの本を読もうと思った。

プリズム少女の記事

発売日順は還りの会で言ってやる→プリズム少女 だが、別に話に関連は全くないので気にする必要はない。どうせなら両方買おう!

 

これ、偉い人に怒られなかった!?

かなり序盤の方で、いきなり出会った大学生がこう言う

「いじめられているやつなんてのは、たとえどんな理由があろうとダメ人間には変わりない。現状が苦しいと分かっていながら、そのくせ何の行動も起こさないような腑抜け腰抜けぼんくらだ 」

P.14

 作者が編集者に怒られなかったのかと、心配になるくらいの言い様だ。

最近も相変わらずいじめ問題が全国各地で発生していて、こういった話題に触れるの若干躊躇われるというのに。

教育○員会だとか教師だとか親御さんとかにも怒られそうである。

 

そういうところ、好きなんだけども。

もう一度書くが、決して重い話ではない。

 

相変わらず魅力的でいいキャラ出てくる

メインとなるキャラは4人。

主人公は男子高校生。

ヒロインは主人公の幼馴染で苛められている女子高校生。

頭のぶっ飛んでいる大学生(男)と美人で人見知りな大学生(女)。

それに加えて苛めてる女子だとか、主人公の友人だとか。

 

全員魅力的なんです、これが。

いちいち説明はしないが、読んでいて不快に思う登場人物は居ないと思う。苛めてる側にも何だかんだ惹かれるのだから、キャラ作りが上手いのがよく分かる。

 

キャラが不快だとか、微妙だとか、あまり私は言わないので参考になるかは不明だが。

 

収まるところに収まる、読みやすい青春小説(ほんのりミステリ)

いじめをテーマにしつつ、多少のミステリ要素を含みつつ・・・

でもやっぱりメインは青春物語。

イジメを見て見ぬ振りしてきた主人公が、ヒロインのために頑張る。

少年少女たちの心情を楽しむ小説。

 

あとは虐めていた人間と、その周囲の人間関係の話とか。

いじめ問題解決!で投げっぱなしENDでない辺りも好ましい。

 

最終的には概ね皆がハッピー。一応続きも書けそうなラストだったが、個人的にはこれで終わりでいいと思う。もちろん続編が出たら読みますが。

 

還りの会で言ってやる (メディアワークス文庫)

還りの会で言ってやる (メディアワークス文庫)